雨端のある家
狭小敷地の高齢者夫婦の住まいである。
地下の採光を確保するためと、外部と内部空間を柔らかく繋げるために設けた坪庭兼踏み込みの小さな「雨端(アマハジ)」を道路全面に設けている。床はFRPのグレーチング、エキスパンドメタルの3本引の木製ハンガー戸を設け、地下のドライエリアに植えられた竹が顔を出している。このスペースは、内部のプライバシーを守りながら外部の景色を楽しむことができるといった微妙な世界を造り出している。
内部はワンフロア・ワンルームであり、それらを繋ぐ階段の上部にトップライトを設け、1階の壁はポリカーボネート板の建具から、2階は大きな障子から、地下は段板の隙間から自然光が入るように工夫している。同時にそれらの建具は開けたてもできるので通風も確保できる。
地下は外壁防水と二重壁の断熱工法を採用してより優れた居住性を確保しているので、安定した居住条件(温度・音)も相俟って、寝室として利用されている。